鹿児島県 姶良市にて使用しなくなった硯があるという事で伺いました
鑑定金額が納得いかないとのことでしたので、当社で見てもらえないかと
ちなみに韋歩の掛軸もありました。大変素晴らしいお品でした。
お店にこの硯も含め多数の書道具(硯、筆、墨、印材)を飾っておきますので興味がある方がいらっしゃいましたら是非お越し下さいませ。
【良硯の見分け方】
古くより、良硯は「磨墨発墨共に善く、而も筆蒙を担せざるを要す。之を第一義とす」といわれている。 良硯としての条件は、「硯の目的」、「材質」、「体式」、「彫刻」、「銘」、「伝来」などすべてが具備されてい ることである。 まず、硯の良否を選定するあたり、「硯の目的」を考慮しなければならない。 陳介亭の「端石援」にはの「八德」を述べている。
第一 寒を歴て氷らざるは質の温なり。
第二 水を貯えて耕せざるは質の潤なり。
第三 研墨泡なきは質の柔なり。
第四 発墨声なきは質の蹴なり。
第五 停墨を浮ぶるは質の細なり。
第六 護って秀を加ふるは質の脈なり。
第七 起墨滞らざるは質の潔なり。
第八 経久乏せざるは質の美なり。
と、温・潤・柔・蠍・細・脈・潔・美の八徳が大切で、良としての基本であることを説いている。 「材質」であるが、石材をはじめ、銅、鉄、瓦、陶磁など各種多彩である。しかし鑑賞・愛玩という立場を離れれば、やはり磨墨しやすく発墨のよいものということになる。 その条件にかなうためには、粒子が細徴で林立して強く、発墨がよいこと。 材質が適度に堅く、長く使用しても磨滅しないこと。 硯の材質の重さも適度でどっしりとした感じであること。 触感が良好で温測であり、水持ちがよいこと。 色彩が優美であることが発墨のよいものとされている。