大分県 竹田市にて紙などの書道具の買取をしました
業者に査定されているが、何社か検討して考えたいとの事で買取にお伺いしました。
ちなみに曹時中の掛軸もありました。大変素晴らしいお品でした。
買取したお品で店頭販売できそうな物が多かったので、おいておきますね。ありがとうございました。
【紙の製法】
㈠溜漉き
①楮切り
まず、霜が降り葉の落ちた良質の楮などを寒期に刈取る。
②楮むし
刈取った楮を平均1m20㎝位に切り揃え、大きなこしきに水、苛性ソーダなどを入れ煮沸する。
③皮むき
蒸した情を一本一本ていねいに皮をむく。
④楮もみ
楮もみは、楮の荒皮をけずり取りやすくするために清流に入れ、さらすとともに足でよくみやわらかくし、さらに、皮についた塵を除去する。それを日光や雪にさらすといっそう白く美しくなる。
⑤楮そろい
楮もみの終った皮を、さらに、手で荒皮をけずり美しい織維だけにする。
⑥楮煮
荒皮の取除かれた皮を、さらに白く良質なものにするために、灰あくやソーダー灰を入れて大金の中で沸させる。
⑦楮みだし
煮沸しやわらかくなった皮を籠の中に入れ、清流で灰あくと塵を取除き、美しい皮繊維のみとする。
⑧叩解
精選された皮を臼に入れ、 杵で細かくなるまでよく叩く。
⑨調合
叩解された種にトロロアオイ(植物性粘着液)を混合し、よく調合する。
⑩紙漉き
大きな木製の漉槽に調合した紙材料を入れきあげる。この工程は、漉手の腕の見せどころともいうべきもので、手心一つで薄くなったり厚くなったりする。一定の厚さにくためには、少なくとも十年以上の経験が必要だという。
⑪圧搾
漉きあげ重ねられた紙の水分を取除くために圧搾機にかける。
⑫へぎわげ
圧搾された紙を一枚一枚へぎわけ、干板に貼り付ける。
⑬乾燥
干板に貼られた紙を野外に出し天日で乾燥させたものを選別し、また品により艶出しして仕上げる。
㈡流し漉き
流し漉きの方法は
1⃣箱舟の中に籠を入れ、その上に配された原料及びトロロアオイを入れる。2⃣面を動かすと、原料は混合し重なり合っていく。3⃣目的に応じた厚さになったところで取りあげる。
このようにして流しきはできあがるものであり、書院・石州などの紙は、この手法によったものである。
㈢抄紙法
中国には手漉きと似ている「抄紙法」があり、竹を主原料として造られるものである。その製法は、
1⃣切り取った竹を一定の長さに切り、適当な量に束ねる。2⃣束ねたところを淡喰で造った池中に重ね入れ、その上から石灰を散布しやわらかくする。3⃣十日間位経ったところで、これを取りあげ、大釜で煮沸させる。4⃣これを臼の中に入れ細かくつぶし、固まった織機を分解させる。5⃣分解した繊維は流水につけ塵を除去し、泥状の製紙原料とする。この原料をもって、溜息きのような工程で造りあげていくのである。
㈣装飾紙製法
1⃣楮紙のような水に入れても丈夫で伸縮の少ない紙を用意する。2⃣大きな風にきれいな水をたくわえておく。3⃣自分の着色しようとする好みの墨色を竹串につけ、それを水面の中心につける。4⃣その中心を竹串で突くと、水面は波紋を生じ、染色が拡がっていく。この竹串の動かし方により好みの模様ができる。5⃣適度に拡がったところで、紙の表を水面につける。6⃣紙を持ちあげると、水面の模様が紙面に復写され美しい料紙ができあがる。なお、一度、使用した水は再び使用しないこと。染色として島を用いる時は極上の油煙和墨を使用する。