書道紙(半紙・和紙・中国紙・蝋箋・古紙)の買取り事例
紅星牌、因州紙、料紙、ロール紙、竹紙、福建・台湾紙
-
-
石川県 小松市にて不用品の処分をされたいという事で紙や書道具などを買取しました
-
宮崎県 東臼杵郡 美郷町にて紙などの書道具の買取をしました
-
岐阜県 瑞穂市にて断捨離で紙や筆などの買取をしました
-
石川県 金沢市にて遺品整理で紙や日本書画などの買取をしました
-
茨城県 那珂市にて紙や書道具や張杰の掛軸などの買取をしました。
-
岐阜県 飛騨市にて紙や茶道具・煎茶器や錢維城の掛軸などの買取をしました。
-
兵庫県 宝塚市にて紙や茶道具・煎茶器や楊帆の掛軸などの買取をしました。
-
奈良県 高市郡 高取町にて紙や筆や郎際昌の掛軸などの買取をしました。
-
長崎県 南島原市にて断捨離で紙や紙などの買取をしました
-
広島県 廿日市市にて紙や筆や黄培芳の掛軸などの買取をしました。
-
島根県 邑智郡 邑南町にて紙や筆や芬齋の掛軸などの買取をしました。
-
青森県 上北郡 おいらせ町にて断捨離で紙や筆などの買取をしました
-
大阪府 藤井寺市にて不用品処分で紙や中国書画などの買取をしました
-
兵庫県 三田市にて紙などの書道具の買取をしました
-
静岡県 静岡市 清水区にて紙や骨董品や劉慧斐の掛軸などの買取をしました。
-
岡山県 倉敷市にて紙を大量にお持ちでしたので買い取らせていただきました
-
神奈川県 南足柄市にて紙や書籍や武玉の掛軸などの買取をしました。
-
鹿児島県 南さつま市にて使用しなくなった紙があるという事で伺いました
-
長崎県 東彼杵郡 波佐見町にて紙を大量にお持ちでしたので買い取らせていただきました
-
滋賀県 蒲生郡 日野町にて紙などの書道具の買取をしました
-
東京都 三鷹市にて遺品整理のために書道具の買取をしました
-
香川県 綾歌郡 綾川町にて書道具一式を整理されたいという事で伺いました
-
広島県 廿日市市にて紙や筆や朱文新の掛軸などの買取をしました。
買取した書道紙の種類
紅星牌 (中国 書道紙)
中国安徽省の涇県で製造している宣紙。
1951年創建の中国宣紙集団公司の登録商標です。
主原料は竹・藁・青檀皮で配分により紙の種類や呼び方が異なります。
厚さによる表示の変化 (下にいくほど厚くなる)
貢品:一番薄く、1枚漉きのもの
札花:とても柔らかく、薄い一枚漉もの
棉連:一枚漉
単宣:流通量が多い 一枚漉
重単宣 : 単宣より厚い 一枚漉
夾宣:単宣より厚い 二層夾宣と同じ簾文がある 一枚漉
二層夾宣:単宣紙を二枚重ねて乾燥させた厚めのもの
三層夾宣宣:単宣紙を三枚重ねて乾燥させたかなり厚めのもの
原料による表示の分類
棉料:稲藁の原料を70%以上、青檀皮を30%以下のもの 柔らかすぎないので漢字向き
浄皮:稲藁の原料を40%以下、青檀皮を60%以上のもの
紙面の特徴による分類
玉版:玉のように白く滑らかで艶やかな紙という意味である
昔は一枚一枚玉片や貝殻を使って紙を磨き、漉き目を均していたという。
現在ではその技術は失われ、生紙に加工を施し、浸水性を抑制した半生半熟の加工紙である。
「A級玉版宣」は、ローラーをかけて紙を圧縮していたらしい。
羅紋:簀の間隔が狭く細かい、薄く漉いた紙で羅(ら:うすぎぬ)のように薄く、漉き目が細かいことをいう。
中国紙のサイズ
半切 34.5×136cm
2×8尺 60×240cm
尺八屏 53×234cm
四尺 69×136cm
五尺 84×150cm
六尺 96×180cm
製造年による製造札・表記の違い
紅星牌には品質保証書である産地、サイズ、枚数、製造年などが明記された「製造札」が封入されている。
製造札に製造年が記載されているので評価の判断となる。
だが、古いものは製造札がないものもある。
1949年に中華人民共和国として成立後、私営企業を国有経済と私有経済の共同経営形態に転換した事を「公私合営」という。
その「公私合営」下で製造された紅星牌は製造札があるものは非常に少ない。
それら所謂、文革(1966年前)の品である見分け方として、「公私合営」の印があるもの、印の円周に星がくっ付いていないものや、ギザギザの円周のものがあるが、星マークが上記に該当しても文革前のものがあるのでマークだけの判断は危険である。
以下のものは星マークが円周にくっついているが製造札には1964年とある。
1970年から1990年代までの製造札
以下は近年(2000年代)のものとなる
最近の品はカラーの印刷された用紙に記載がある製造札になる
その他の中国紙
福建 特甲/特乙
紅星牌のように正面部分に詳細印や製造札があるものではない。
紙の側面部分にのみ 特甲や特乙などの紙の質の印が押してある。
ローラーで引いたものが多く、比較的に安価で購入できる。
桃記牌
紅星牌へ宣紙の原料を卸していた工場の製品です。
生産数は少なく、品質は紅星牌に劣ります。
三星牌
A級玉版箋 50張/20張
ロール状に巻かれた玉版箋。
浄皮煮才箋 /十刀、四尺綿連矾三箋、四尺加厚矾三箋、五尺二層玉版箋、白色片金箋など
弊社で扱った事があるが、色々な種類がある。
年代物の「北京栄宝齋A級玉版宣」とは別物。
1970年代から1980年代に、「北京栄宝齋」ではないこちらの「A級紙」という高級紙が日本へ流通した。
品質は、厚めに漉いた棉料紙にローラーを引いた紙であり「北京栄宝齋A級紙」とは原紙の質も、加工の綿密さも同じ物ではない。
水印箋
酒金箋
色 /紋箋
蝋箋
紙について
中国て初めて紙が製造されたのは西紀前後で世界では最も早く、そして六五〇年になって遠くアラビアのメッカて中国から輸入された紙が初めて用いられたといわれている。中国の紙最古の紙紙は後漢の元興元年に樹の皮・麻およびポロ、魚網等から紙を造ることを発明して和帝に献上された。
色彩のある紙も唐時代になると流行し、宮廷や大官の間には金粉を撒いた金鳳紙などが愛用され、また文様を描いた魚箋や花箋とよばれる色紙も行われた。五彩の美しい紙も造られたが、蜀(四川省)が造られた深紅の小彩箋が最も有名である。
漢時代の漆工芸の中心地であるほか染織ても蜀江の錦が唐代の名品として知られ、また紙工芸も宋時代の初期まではが第一の生産地であった。また蜀の謝景初は謝公館と称された彩箋て名があり、その色は深紅・粉紅・杏紅・明黄・深青・浅青・深緑・浅緑・銅緑・浅雲の十色があったといわれている。また晋の大書家である 王羲之は、永和九年に詩文の会を園亭て行い、自ら蘭亭序の一文章を草した一説がある。
唐時代になると麻のほかに江蘇・浙江方面では柔らかい若竹の繊維から竹紙を造り、北方ては桑の皮から桑根紙が造られ、浙江省曹娥江上流の刻溪ては藤の藁から藤角紙が造られた。楮紙もまた当時一般に用いられていて、唐の紙には短白簾・粉蝋紙・布紙・卵紙・硫黄紙などが存在する。
わが国には正倉院に保存されている唐時代で生産された紙類が多量ある。その中で唐紙といわれるものに聖武天皇の「雑集」、光明皇后の「楽毅論」等があり、いずれも白麻紙と伝称されている。また「光明皇后御順一切経」は聖語蔵に七百五十巻も現存し、他に流出したものもあって、多量の紙を使用しているがその大部分は黄麻紙による渡来した紙である。
正倉院の色名紙には、黄紙・深緑紙・浅緑紙・青紙・紫紙・麻紙・紅紙・藍色紙・橡紙・蘇芳紙・胡桃紙・赤紫紙・黒紫紙・青褐紙・黄褐紙・色麻紙十九巻・型紙を置いてその上から彩色を吹きつけた吹絵紙・絵唐紙という刷して書の飛白体のように鳥駅・雲文を描いた紙・緑紙に金砂子を高いた緑金箋がある。
日本の製紙地域:越前・美濃・大和・山城・但馬・近江・伊賀・志摩・和泉・紀伊・越中・佐渡・甲斐・相模・伊豆・駿河・遠江・尾張・摂津・淡路・備中・播磨・周防・長門・出雲・隠岐・因幡・阿波・伊予・筑前・筑後・豊前豊後・薩摩・陸奥
紙の異名:白麻、惜児、美雲、魚紙、竹帛、村葉、蝋紙、玉板
【蜀箋】
蜀において造られた紙。蜀紙に粉飾を施した深紅、粉紅、深青、浅雲、金沙紙、竜鳳紙、など十七種あった。
【澄心堂紙】
唐紙の中で一番有名なものとして知られている。南唐の李後主が造ったとされている。紙質は滑らかできめ細かく光沢があった
【竹紙】
別名、毛辺紙。江西、浙江、福建省で、産出された竹を主に使われていた。
【宣紙】
宣紙は安徽省徑県、宣城県などで作られ、明代に作られた紙。宣紙には玉版紙、二層紙、三層紙煮唾紙などがあり書道具として適している
【玉版箋】
宋代の玉版は乱麻を原料として上質なものであった。
【唐紙】
中国製の紙で竹材を用いて造られている。(日本製の唐紙とは異なる)
材料による紙の種類
麻紙
中国において、葵倫が製紙法を改良し、紙原料は、樹膚・麻頭・魚綱・敷布の四種。日本では奈良時代の紙はほとんど麻紙が用いられていた。材質は強くしなやかで光沢をもっている。
穀紙
穀紙の中には、黄穀紙、梶紙などがあり、紙質は強くやや薄手になる
雁皮紙
材料は、ガンビを用い、鳥子と同質のもので薄手のものをいう。
檀紙
檀紙は、大きさにより、大高檀紙(大鷹)、中高檀紙(中鷹)、小高檀紙(小鷹)の三種類がある。
日本各地の地名、人名による紙
杉原紙
播磨の「播磨杉原」、越後の「越後杉原」、美濃の「美濃杉原」などがあり、紙質は、檀紙と同質のもので、強杉原、鬼杉原とも称し、よく公認料紙として用いられた。
西洞院紙
京都の五条近く「瀧き返し」の紙。
美濃紙
美濃で造られた「美濃紙」の歴史は古く、正倉院文書の中にも存在する。種類も多く、御定、大直、中直、小直、小菊などがあり、履歴書用紙、かな用紙として多く用いられている。
西之内紙
西之内紙の本場は、茨木県久慈郡西野内であり、その主材は楮である。用紙は、投票用紙、台帖用紙などにも利用されている。
奈良紙
楮を主原料として薄紙で、日常の雑紙として用いられていた。
吉野紙
紙質は、柔軟で薄いが強く、鼻紙などに利用されている。
内山紙
長野県下高井郡高の山内で造られ「山内城」の名がついたが、今では、各地で造られている
修善寺紙
静岡県修善寺付近で造られ、材質は雁皮を用いて造られた。伊豆に多い桜雁皮を用いている
甲州紙
山梨県にある西島村で造られ、幕府御用紙という立場から、市川本判、広本判、甲判切、甲州半紙、小半紙、甲州西、障子紙、州雅箋などに利用されている
相竹紙
富山県野積谷の紙。上質な相竹紙で一般に同じ厚さのものを二枚貼り合わせるところから、別名「裏表」とも呼んでいる。
因州紙
鳥取県八頭郡佐治村一帯で温かれる紙である。紙材は、竹、パルプなどを混合し用い、各種の料紙を造っている。白蘭箋、色雅箋、雅風箋、白茅箋、など書道用紙として使われる事が多い
高野紙
和歌山県高野山の麓、古沢村付近で造られた紙のことである。紙材は、楮を用い粘り強い紙である。
宇陀紙
徳島県吉野川近辺で進かれる紙である。紙材は、楮を主原料として流いた淡褐色の厚紙で紙などによく使用されている。
音無紙
和歌山県熊野川付近で温かれた紙で、薄く柔軟なものである。
石州紙
鳥取県石見で造られ、純楮を用いた良質で強い紙なので重宝される
泉貨紙
伊予国松谷の城主兵頭太郎左衛門が、長宗我部元親との戦い破れ宇和島の安楽寺の僧、泉貨と戒名した。そこで造られた紙なのでこの名前がついている。またの名を「仙花紙」
柾紙
四国伊予で造られ、漉き目の通ったものである。紙材は、楮を原料としており、強靱ではあるが上質のものではない。
中仙紙
四国杉丸付近で漉かれる紙である。この紙は、仙花紙の一種であるが、荒皮も混ざり色が鮮明ではないが、強制である。
海田紙
播州佐田郡の海田を原産地として、楮を原料とした厚紙である。
名塩紙
兵庫県西宮市付近で、雁皮を原料として施いたものである。なお、この紙は、同地の粘土を混合したところ特徴がある。
加工紙
丁字風き紙
紙に丁字煎汁を吹き付けた紙。「鳥下絵経」「愛知切」などを風雅なものがある
荼毘(だび)紙
荼毘紙は、伽羅、白檀などの粉末から精製され、黄荼毘紙、白荼毘紙の二種類がる
雲紙
藍または紫などの白紙に雲形にして流してできたもの。色紙や短冊などに多く見受けられる
墨流し紙
水面に墨をぼかし、その上から紙をあてて、その上から紙をあてて転写したものである。好みにより全面染、ぼかし染、隈取などいろいろ工夫できるので、風雅で楽しい料紙である。
具引紙
胡粉に粘着液を入れて料紙に塗ったものである。これは、いろいろの染料を用いることもできるし、
から紙
中国から渡ってきた紙という意味であったが、今日では「唐紙」と「から紙」は区別されている。から紙は雲母と胡粉とを用いて加工したものである。製法は、版木に雲母などを塗り、その上から具引紙をのせ文様を付けるものである。
金銀箔紙
料紙全面に、金箔を貼ったものを「金紙」といい、銀箔を貼ったものを「銀紙」という。また、大小正方形の金銀箔を貼ったものを「切箔」といっている。
その他による種類
奉書紙
古くは室町末期から武家に貴ばれ愛用されてきた。原料は、楮を用いていたが、今の奉書はほとんどパルプを原料としている。大きさにはいろいろあり、大奉書、中奉書、小奉書などあり、特に、奉書紙のメッカともいわれる越前で造られるものは「大広」、「御前広」などとも呼ばれている。
鳥子紙
鳥子紙の名称について、常陸の鳥子村にちなんで付けられた
蝋箋
から紙の一種で、紙に胡粉を引染め、文様を紙に書き、その上から蝋を摺り込む。日本では、この製法ができないので、専ら中国製のものを入手する。
継ぎ紙
一枚の料紙を造るのに、いろいろな料紙を継ぎ貼ったものをいう。継ぎ紙には、切り継ぎ、重ね継ぎ、破り継ぎの三種類がある。
色紙
手漉き工程の、原料とトロロアオイを混合する際に、染料を混ぜて漉きあげれば同一色の紙となる。
民芸紙
近年では、実用紙のほかに、民芸紙が各地から製造されている。それは、一枚一枚端正に造られる。民芸紙は、個性的な性格を持つものであるが、それぞれの用途に応じ、美術的な意匠の工夫とともに、その色彩料紙の多様化は広く利用されている。それは、袂紙、壁紙、障子紙、紙、書籍用紙など種類も多く、今後ますます隆盛の一途を辿ることであろう。
【紙の原料】
四千年以上も前に、エジプトで使用されたパピルスをはじめ、石、羊皮、貝殻、絹布などがあるが、製紙原料となると、一般に竹、楮、三椏、、稲藁、麻など、多くの植物繊維が用いられている。
紙の製法
㈠溜漉き
①楮切り
まず、霜が降り葉の落ちた良質の楮などを寒期に刈取る。
②楮むし
刈取った楮を平均1m20㎝位に切り揃え、大きなこしきに水、苛性ソーダなどを入れ煮沸する。
③皮むき
蒸した情を一本一本ていねいに皮をむく。
④楮もみ
楮もみは、楮の荒皮をけずり取りやすくするために清流に入れ、さらすとともに足でよくみやわらかくし、さらに、皮についた塵を除去する。それを日光や雪にさらすといっそう白く美しくなる。
⑤楮そろい
楮もみの終った皮を、さらに、手で荒皮をけずり美しい織維だけにする。
⑥楮煮
荒皮の取除かれた皮を、さらに白く良質なものにするために、灰あくやソーダー灰を入れて大金の中で沸させる。
⑦楮みだし
煮沸しやわらかくなった皮を籠の中に入れ、清流で灰あくと塵を取除き、美しい皮繊維のみとする。
⑧叩解
精選された皮を臼に入れ、 杵で細かくなるまでよく叩く。
⑨調合
叩解された種にトロロアオイ(植物性粘着液)を混合し、よく調合する。
⑩紙漉き
大きな木製の漉槽に調合した紙材料を入れきあげる。この工程は、漉手の腕の見せどころともいうべきもので、手心一つで薄くなったり厚くなったりする。一定の厚さにくためには、少なくとも十年以上の経験が必要だという。
⑪圧搾
漉きあげ重ねられた紙の水分を取除くために圧搾機にかける。
⑫へぎわげ
圧搾された紙を一枚一枚へぎわけ、干板に貼り付ける。
⑬乾燥
干板に貼られた紙を野外に出し天日で乾燥させたものを選別し、また品により艶出しして仕上げる。
㈡流し漉き
流し漉きの方法は
1⃣箱舟の中に籠を入れ、その上に配された原料及びトロロアオイを入れる。2⃣面を動かすと、原料は混合し重なり合っていく。3⃣目的に応じた厚さになったところで取りあげる。
このようにして流しきはできあがるものであり、書院・石州などの紙は、この手法によったものである。
㈢抄紙法
中国には手漉きと似ている「抄紙法」があり、竹を主原料として造られるものである。その製法は、
1⃣切り取った竹を一定の長さに切り、適当な量に束ねる。2⃣束ねたところを淡喰で造った池中に重ね入れ、その上から石灰を散布しやわらかくする。3⃣十日間位経ったところで、これを取りあげ、大釜で煮沸させる。4⃣これを臼の中に入れ細かくつぶし、固まった織機を分解させる。5⃣分解した繊維は流水につけ塵を除去し、泥状の製紙原料とする。この原料をもって、溜息きのような工程で造りあげていくのである。
㈣装飾紙製法
1⃣楮紙のような水に入れても丈夫で伸縮の少ない紙を用意する。2⃣大きな風にきれいな水をたくわえておく。3⃣自分の着色しようとする好みの墨色を竹串につけ、それを水面の中心につける。4⃣その中心を竹串で突くと、水面は波紋を生じ、染色が拡がっていく。この竹串の動かし方により好みの模様ができる。5⃣適度に拡がったところで、紙の表を水面につける。6⃣紙を持ちあげると、水面の模様が紙面に復写され美しい料紙ができあがる。なお、一度、使用した水は再び使用しないこと。染色として島を用いる時は極上の油煙和墨を使用する。
※紙の保存方法
湿気があれば、カビやシミを生じ、また、直射日光や必要以上に温度の高いところに置くと、変色したり歪んだりして、せっかくの良紙もただの紙と化してしまう。気のゆるみから保管が悪いと紙はかぜをひき、良墨をもって書いても発墨のよくない状態をまねいてしまう。また、そのまま放置しておくと虫にくわれる危険もあるので、保管にあたっては、一枚一枚折れ目なく始末し、防虫剤とともに箱に入れ、乾燥した場所に置くことが肝要である。